月は北へ
んぎゃ!と唸りながら目が覚めた。多少の貧血がみられる。野暮なことを愚図って考えてからとりあえずは本を1冊手に取る。
”あなたのなかで私は生きる、あなたがそばにいなくとも。 自分だけでは死んでいる、現にここに在りながら” by.モーリス・セーヴ
もう朝か、と思ってみたら夕暮れ時だった。
※
ひとまずは窓を開けて涼んでから、松任谷由実のルージュの伝言をBGMに洗い物をしたらかなり捗った。
1歩ずつ少しずつ生活を建て直していく。
※
皆既月食は自室のベランダからも目の前の公園からも見えないのでウェザーニュースの実況中継から見ているという謎の時間……
「月は自粛しました」というコメントが流れていくのをひらひら眺めている。
※
午前中は恋人と話しながら、午後は絵を描き、昼過ぎ、ついつい眠りに落ち、夕方には本を読み、洗い物をして、皆既月食をインターネット越しに見る、ただただ紅茶が美味しい。
どうしようもない生活の記録。